オランダの教育から学ぶ~ディベート初体験!

2013年11月21日 01時08分 | カテゴリー: 活動報告・日誌

リヒテルズ直子さん

 生活者ネットワ―ク主催市民のための政治の使い方講座第3回は、地域協議会主催「幸せを感じられる国に…オランダの教育から学ぶ」と題して、リヒテルズ直子さん(オランダ在住、教育評論家)による学習会でした。
 オランダでは、60年代半ば頃とくに工場排水による水質汚染が社会問題となって環境保護運動が活発になり、70年代から80年代初頭にかけては原発反対運動がもっとも高まりました。とくに若者たちが、産業発展、モノとカネに溢れた物質文化に対する疑問をいだいて、人々の生き方環境のあり方そのものを考え、生きやすい社会づくりを求める運動を起こしました。そして、原発推進策を発表した政府が原発開発推進資金を引き出すために電気料金を値上げしたことに対し、市民は支払い拒否運動をおこし、さらに原子力の危機を伝えるパンフレットを配布して啓発運動をすすめました。「政治の行方を決めるのは自分たちだ」とみずから行動したのです。結果、原発の建物は建設されたもの一度も使用されず、原発推進計画を阻止しました。
 モノ、カネの豊かさよりもココロの豊かさへ移り、人の声によって政治を動かすしくみを整えてきたオランダは、現在、人々の生活への満足度がとても高く、経済効率は世界一、子どもたちの幸福度が先進国中最も高い国と、調査研究の結果がでています。

  オランダの学校教育の特徴の一つが、「対話の重視」―アーチ型に椅子を並べて先生が中に入って対話しながらすすめる授業を行う―なので、この日は同じ形のセッティングですすめられました。シチズンシップ教育(社会参加の練習の場)をすすめるオランダでは、学校という場は安心できる場であり、市民になるための場、自分たちで解決する力を身につける場であることが保障されています。それにくらべて日本の学校教育はヨーロッパ近代社会初期の学校モデルから全く変わっていないとリヒテルズさんは強く指摘していました。

ディベート終了、審判グループでは判定の為の話し合い中

 そして、オランダの教育で取り入れているディスカッションの手法の一つ「ディベート」を私たちも実践! 『学校は国内や国外の時事を取り上げて議論すべきだ』を命題にして、賛成・反対・審査員の3つのグループに分かれます。時間を決めて話し合った後に賛成派と反対派の訴え、さらに自由討論。審査員は何を基準にしてディベートの勝ち負けを決めるか相談して審査。賛成派・反対派のリーダーが根拠をまとめて発表するのに対し審査員代表が審査結果の発表をします。ここでは自分が賛成、反対であっても逆の立場の考えをさぐっていく力、短い言葉で時間内にはっきり主張することなどが要求されます。緊張した20分間でしたが、論拠して意見する力を得ていくためにも、ディベート体験の場がもっとほしいねと参加者同士高揚しつつ云いあいました。
 オランダでは教員と生徒がともに平等に輪になって坐る場をつくり、議論をしてお互いに尊重し合う練習を幼児教育から行っています。自立的に生きる「市民」を育てること、その学びの場が今の日本の画一的教育には欠けているのだと強く実感しました。