食で幸せをつむぐ人々〜さなぎの食堂

2010年6月8日 00時06分 | カテゴリー: 活動報告・日誌

 横浜市の寿町では「NPO法人さなぎ達」というグループが「衣」・「医」・「食」・「職」・「住」を柱にホームレス、またはホームレスになる恐れのある人たちの自立支援を促すことを目的に活動しています。
寿町という所はJR石川町駅を挟んで、有名な中華街の反対側にある200m×300mの小さな一画を指します。簡易宿泊所が約120軒も建ち並び、約6500人の人が暮らしており、現在は人口の8割が生活保護を受けていて、高齢化も進んでいるといいます。もともとここは日雇いの仕事をする人のための宿泊施設でしたが、不況の影響で仕事が減り、路上での生活を余儀なくされたホームレスの人たちを自分の意志で自立できるようサポートしている場所になっています。
ここには、「食」と「職」を担う「さなぎ食堂」があります。横浜市が発行している「食券」を利用して、ホームレスの人たちにも屋根のある場所で温かいごはんを食べてもらいたいという趣旨で、2002年にオープンしました。朝10時から夕方6時まで(午後2時から3時は休憩)営業しています。店内は白を基調にした明るい雰囲気でアルバイトやボランティアスタッフがきびきびと働いています。
市場や食品メーカーでの値切り品、パッケージに欠陥がある、形が崩れているなど、味に直接影響のない「わけあり」と呼ばれる食品や、市内のコンビニ(「ローソン」)よりおにぎりや弁当などの余剰食品の提供を受ける協力体制を築き上げてきたことで材料費を安く抑えることができており、横浜市が推進する「横浜型もったいない運動」に取り組んでいます。食堂のシェフ土屋さんは、「この小さな食堂も時代によってニーズが変化しています。食堂まで歩いてこられないお年寄りのために、今後は宅配業務も計画中です」と語ります。
そして、もうひとつ土屋さんが実現しようと現在、奔走しているのが、周辺の企業へ向けた弁当の配達です。「一般の人に弁当を購入してもらい、利益の一部をホームレスの人の食事資金に充当する、再分配という考え方を提案しています。一般の人も地域町ぐるみでサポートし、それを持続し、皆が共存していくこと、食を通じて様々な人たちのコミュニケーションを図ることを目指しています。」と静かに熱く語ってくれました。
その穏やかな対応にさなぎ食堂に来る人はホッとして美味しい食事をとられるのではないかなと感じました。